失業からの脱出率

アメリカ、ボストン連邦準備銀行の研究雑誌 New England Economic Review より。

Yolanda K. Kodrzycki., "Discouraged and Other Marginally Attached Workers: Evidence on Their Role in the Labor Market", New England Economic Review, May/June 2000, pp.35-40.

[用語の解説]

○ marginally attached workers:15歳以上人口のうち、現在働いていなければ仕事も探していないが、職を欲し、職があれば就くことができ、近い過去のある時期に仕事を探したことがある者。適当な日本語訳が分かりませんでしたので、英文そのままで表記しました。日本で言うニートの人の中には、こうした人も含まれていると考えられます。

○ 求職意思喪失労働者:marginally attached workers の一部。就くことができる仕事がない、仕事を見つけることができなかった、必要な学校教育・技能・経験が欠けている、職場で何らかの差別を感じたといった理由により、仕事を欲していながら職探しをしていない者。日本で言うニートの人の中には、こうした人も含まれていると考えられます。

○ 失業者:この論文で言う失業者は、完全失業者のことか。15歳以上人口のうち、仕事を探していて、仕事があれば就くことができ、現在は就業していない者。

---------------------

今回の論文には、「脱出率」(escape rates) という言葉が出てきます。失業者、求職意思喪失労働者、その他の marginally attached workers(marginally attached workers のうち、求職意思喪失労働者を除いたもの)が、それぞれ1ヵ月後に就職した率と定義されています。

調査によると、アメリカでは、1994年1月から2000年2月にかけて、失業者の28.2%が1ヵ月後に雇用されたのに対し、求職意思喪失労働者やその他の marginally attached workers の脱出率はそれぞれ11.8%、12.8%にすぎませんでした。また、求職意思喪失労働者やその他の marginally attached workers の60%は、1ヵ月後も就業しておらず、かつ職探しもしていないことが分かっています。

こうした差が生まれた原因については論文の中では触れられていません。おそらく失業者は、求職意思喪失労働者や他の marginally attached workers と違って調査時点で求職活動を行っていたので、その分雇用される者が多かったのでしょう。

また、求職意思喪失労働者やその他の marginally attached workers は様々な問題により求職活動をしていなかったわけですが、1ヶ月ではそうした問題を解決できなかったのかもしれません。求職活動を行ったとしても、求職活動をしばらく休んでいたためブランク期間が生じ、それがスティグマになったり、その人の労働生産性が低くなったりしたため、就業には至らなかったのかもしれません。

スポンサーリンク

トラックバック

URL :

最近の記事
カテゴリー
カレンダー(月別)
10 ≪│2017/11│≫ 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
RSSフィード
本など
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
心と身体
149位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
11位
アクセスランキングを見る>>
リンク
このサイトについて

このサイトはリンクフリーです。張るのも剥がすのもご自由になさってください。相互リンクは現在募集しておりません。

携帯用アドレスを取得されたい方は、「こちら」をクリックしてください。

このブログのリンク先のご利用につきましては、ご自身の責任のもとでお願いします。なお、本等のリンクについては、Amazon.co.jpのアフィリエイトプログラムを導入しています。

なお、「富条」はハンドルネームです。本名は全く違う名前です。

メールは nhjournal77@yahoo.co.jp まで。