顕示的閑暇

働かなくても生きていけることを見せびらかす


「顕示的閑暇」とは、生産的労働に従事していないことを見せびらかすことです。

「顕示的閑暇」の概念も、前回お話ししたアメリカの経済学者ソースタイン・ヴェブレン(1857-1959)が、著書『有閑階級の理論』(1899)の中で示したものです。
英語では conspicuous leisure で、「衒示(げんじ)的閑暇」とも訳されます。

ヴェブレンによると、生産的労働は賤しいものと見なされており、富裕階級は「非生産的労働」に従事します。
ここで言う非生産的労働とは、政治、戦争、狩猟、宗教儀式などです。
我々が一般に考える「非生産的」とは意味するところが違うかもしれません。
なお、「顕示的閑暇」の「閑暇」は、怠惰や無為ではなく、このような時間の非生産的な消費を意味します。

生産的労働の必要がないことは名誉と称賛の対象となっただけでなく、後には品位を保つ必須条件にさえなったそうです。
ある意味、「働けば負け」だったのでしょう。


あまりにも世界が違う


現代の一般庶民である私とは、あまりにも世界が違う話です。
職に就いていないと自分自身が恥ずかしく感じるだけでなく、「働かざる者食うべからず」という社会規範や、日本国憲法の勤労の義務の規定があり、非常に体面が悪いです。
ですが、なかなか働き出せず、現状を打破することができませんでした。

このため、自分が働いていないことを、見せ付けようなどとするはずがありません。
逆に、隠そうとします。
場合によっては、無業であるにも関わらず、あたかも働いているようなそぶりをすることさえあります。
「顕示的閑暇」ならぬ「顕示的労働」です(こんな用語、経済学にはありません)。


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