サポステのポスターを見つけて

公立図書館で見かけた


ある公立図書館で、地域若者サポートステーション(サポステ)のポスターを見つけました。

サポステは、ニート等の若者の自立を支援する施設です。
厚生労働省が様々な団体に委託して展開している事業で、全国で175箇所あります(平成30年度)。
かく言う私も、サポステの「修了生」です。

サポステは、その存在があまり知られていないと昔から言われています。
少し古い調査ですが、内閣府による平成24年度「若者の考え方についての調査」によると、サポステの若者の間での認知度は6.6%でした(内閣府, 2013)。

サポステとしてはその認知度を高めようとするのはもっともなことです。
公立図書館にポスターを貼ってもらうという手法も、分かるような気がします。
サポステは厚労省委託事業ですから、公共施設の公立図書館なら、ポスターの貼り出しに理解が得られやすいかもしれません。
また、事実かどうか分かりませんが、無業の若者は公立図書館に足を運ぶことがあるという話は聞いたことがあります。


無業の若者の立場になって考えると、複雑な思い


ただ、サポステに通ったことのない無業の若者の身になって考えると、複雑な思いです。
就労への意識が向いた若者ならよいです。
ポスターを見たことが、サポステなどへの就労支援施設に通所する契機になるかもしれません。

ですが、そうでない若者が、こうしたポスターを見れば、どうでしょう。
あくまで想像なのですが、「働け」というプレッシャーを感じ、ポスターを、場合によってはその公立図書館を避けてしまうかもしれないと思います。
無業の人にとって、安心して出入りできる社会的な場は比較的限られると思うのですが……。
また、働くことへの意識が向くどころか、逆効果になってしまう人も出てくるのではと思います。

このあたり、なんとも繊細な問題ではないかと思います。
もっと、これは私の考えすぎで、みんな大して気にしないかもしれませんけれども。


文献


◇ 内閣府 (2013). 若者の考え方についての調査 (ニート、ひきこもり、不登校の子ども・若者への支援等に関する調査). http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/thinking/h24/pdf_index.html

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働いてもいなければ、職探しもしていない男性が増える傾向

アメリカの動向


働いてもいなければ、職探しもしていない男性が、アメリカでは増えているようです。
『ニューヨークタイムズ』の下記の記事で話題に上げられています。

↓ 『ニューヨークタイムズ』電子版へのリンクです。
◇ Why Aren’t More Men Working?
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この記事の著者は、ハーバード大学のグレゴリー・マンキュー教授です。
経済学の教科書でお馴染みという方もいらっしゃるかもしれません。

高齢で仕事を引退したとか、学生だとか、そうした人が増えたからというのなら分かります。
ですが、25~54歳といった年齢層でも、働いてもいなければ、職探しをしていない男性が増えているそうです。
記事では、詳しい分析が行なわれています。

こうした層のうち、家事や通学をしていない若年者は、日本で言う「ニート」に相当します。[注1]


日本でも


似た傾向は、実は日本でも確認されています。
働いてもいなければ、職探しもしない層を「非労働力人口」と言うのですが、[注2]そうした層の比率が長期で見ると上昇傾向にあることが指摘されています。
この件については、ブログで過去に書いたことがあります。

↓ このブログの過去の記事へのリンクです。非労働力人口についても書いています。
◇ 男性の就業率、90年代から低下傾向(25~54歳)
新しいウィンドウで開く

ですが、こうしたことはあまり話題にはなりません。
話題になるのはニートのことばかりです。
「ニート」という言葉にばかり捕らわれず、雇用動向をもう少し広い視野で見ることはできないだろうかと思います。




関連書籍


マンキュー入門経済学 (第2版)
N.グレゴリー マンキュー
東洋経済新報社

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勉強も仕事もしていないという、天才的ハッカー

ルイス・アイヴァン・クエンデさん


ニニ(NiNi) は、勉強も仕事もしていない若者のことです。
"ni estudio, ni trabajo" の略で、スペイン語圏で使われている言葉です。
日本で言うニートに近いかもしれません。
前回お話しました

特に、スペインのニニについて調べていたところ、気になることがありました。
ルイス・アイヴァン・クエンデ(Luis Ivan Cuende)さんという若者の記事が、何件も見つかったのです。
自らをニニであるとしたこの青年は、天才的ハッカーなのだそうです。

[ルイスさんの実績(一部)]

○ AsturixというOSを開発し、12歳で起業
○ 18歳未満のヨーロッパ最高のハッカーに選ばれる(2012年)
○ Aragonという仮想通貨を始める(2018年)

思いっきり仕事してるやん!どこがニニやねん!という素朴な疑問が沸いてきます。
このあたりは、調査不足でよく分かりません。


「学校が、仕事が若者のニーズに合っていない」


ただ、ルイスさんは高校は卒業していないそうです(単位は全て取得)。
そして、現在のスペインの学校教育制度について、教師が専制的であると批判。
ニニは多くの場合、学校教育が彼ら彼女らのニーズに合っていないものであり、同様のことが仕事についても起こっているとルイスは主張しました(少し前の話であり、現在もそのような主張をしているかは分かりません)。

2014年に出した著書 Tengo 18 años y ni estudio ni trabajo : ¡monto empresas y vivo haciendo lo que me gusta! は、Googleの機械翻訳を参考にすると、『僕は18歳で、勉強も仕事もしない:沢山の会社を経営していて、好きなことをして生きている!』ぐらいの意味ではないかと思います(私はまだ読んでいません)。

ルイスさんは、ご自分がなさっていることを仕事とは考えていないだけなのかもしれません。
教育制度や労働市場が若者のニーズに合わないからニニが生まれるという考え方は、ルイスさんのような成功者が主張するから説得力があるのでしょう。
仮に、私のような者が同様の主張をしても、「自分の不出来を社会のせいにするな」と叱られて終わりです。
ルイスさんは、現在のスペインの教育制度への代替案を示していますし、モデルになりそうな他国の教育制度もご存じで、その主張はしっかりしています。




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